私たちの身の回りには、健康や医療に関する情報がたくさんあります。いやむしろ、健康や医療に関する情報であふれ返っていると言ってもいいかもしれません。
テレビの情報番組やショッピング番組では、健康や医療に関するさまざまな“お悩み”を解決する(と称する)情報が、毎日のように紹介されています。
ダイエットをしたい人には、簡単にできておいしい(?)
レシピや低カロリーでも満足できる(?)
スイーツ、足腰を鍛えたい人には、ずぼらな人でも続けられる(?)
トレーニング法や1日たった3分で済む(?)
運動器具、薄毛が気になる人には、頭頂部をふっくら見せる(?)
ヘアアレンジや聞いたことがない成分が入った(?)シャンプー……
例を挙げればきりがありません。
そして、この手の情報には、必ずと言ってよいほど、試してみて「よかった!」という体験談がついてきます。その人が実際に体験したことを話しているのか、視聴者が確認することはできません。もしかしたら、よい印象を話すようにスポンサーから依頼されただけかもしれません。
ただそれでも、嬉しそうに「よかった!」という人を見ると、なんだか自分にもよさそうに思えてしまいます。
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健康や医療に関する情報を入手し、その内容を理解し、さらに評価して、その後の判断や行動に生かすかどうかを最終的に決めるのは、あくまで私たち自身です。(本書「はじめに」より)
健康や医療に関する情報に出合ったら注意すべきことは、大きく二つにまとめられます。
一つは、信頼できる情報源を活用すること、もう一つは、“気を引く情報”に接したら、いったん立ち止まって吟味することです。
読者の皆様が健康や医療に関する情報を読み解くときに、本書から何か一つでもヒントを得られれば幸いです。
【本書主な内容】
第1章 やっぱり気になる! 健康・医療情報
第2章 まず確認したい五つのチェックポイント
第3章 数字には読み方がある
第4章 グラフにも読み方がある
第5章 統計にも読み方がある
第6章 数字にならない情報
第7章 自分の中にあるバイアス
おわりに 情報には限界がある