「ただ普通でありたかった」
誰か教えてください。
ぼくはどう生きればよかったのでしょうかーー。
三通の手紙に刻まれた魂の叫びが、現代の精神的堕落をあぶりだす。
中学受験、トー横、起業サークル、悪徳コンサル、闇バイト。
「普通」が壊れた時代に漂う「自己本位」への誘惑。
【あらすじ】
ある青年から届いた手紙には、幼少期から「普通」を願って生活を送ってきたことが書かれていた。普通の家庭、普通の教育、普通の交友関係。多少の挫折はあっても、彼は「普通」の軌道に乗り続けている--はずだった。今、彼はとても困難な状況にいる。どこでそうなったのか。どうしてそうなったのか。両親が不仲だからか、トー横に行ってしまったからか、それとも大学時代の起業サークルが原因か、それとも重くのしかかる奨学金のせいだろうか。三通の手紙があぶり出すのは、あらゆるものが可視化された現代社会にはびこる精神的幼稚さと、その行く末。
ぼくだけが悪いのでしょうか?
見えますか?この暗黒が。