8歳のとき、地球上の誰よりも「大人になった」。
妄想にとらわれ何度も失踪する母。連れ戻しに行く8歳の私。家にいない父。平穏なふりですごす学校。やがて思春期を迎えた私は、希死念慮や心身の不調で生活がままならなくなり……。精神障害者が400万人を超える時代。子どもの時に家族を必死に支え、大人になっても苦しみ続ける「一万年生きた子ども」たち。その物語に、耳を傾けてみませんか。
【主要目次】
はじめに
1 一万年生きるその渦中で
黄金の体と一万年の心が目覚めるとき
墓で息をする
誰も来ない運動会
初恋と不法侵入
みちこ姉さん
毒
李典教と幽霊
震える唇
霊感といじめと授業参観
一万年生きた子どもでなくなるとき
2 生涯、一万年生きた子どもである
人生すべて後遺症
母と仕事
女の子の友だち
留年
女性嫌悪(ミソジニー)
私は病者
やっぱり助けてくれないんだ
魔の三三歳
母、薬をやめる
現在の私
一人じゃ無理
おわりに