本書は、京都で長く婦人科専門医として開院し、更年期にある女性の症状が少しでも改善され、日常生活を支障なく過ごせるようにできることを追究してきた著者が、臨床で実際に行ってきた治療のなかでも、とくに「ホルモン補充療法(HRT)」と「漢方薬による治療」について、具体的な症例とともに紹介、解説するものです。そこには、初診の診断・処方だけでなく、時間経過とともに変わっていく主訴や症状に合わせた処方の変化、減薬・廃薬の判断など、机上の勉強だけでは得られない、経験による知識として培われてきた「生の治療法」があります。婦人科医としてはもちろん、東洋医学(漢方)や精神科的知識、抗加齢医学等の知識を幅広く持ち合わせる著者の豊富な経験に基づく見解は、辛い症状に悩む更年期女性だけでなく、婦人科専門外でありながら更年期女性の治療を行う地方医師にとっての指針にもなる必携書です。