都会で暮らす大学一年の優太は、夏休みを利用して海辺の民宿「夕凪荘」で住み込みアルバイトを始めることになった。
人里離れた小さな宿。古びた畳、風鈴の音、潮の香り……そこには、どこか懐かしくも艶めいた空気が漂っていた。
女将の宮原澄江は、穏やかな笑みの奥に色香を宿す和装美人。
「最初の相手は、大事に選びなさいね」
まだ女性を知らぬことを見抜かれた優太は、ある夜、女将の優しさと熱に包まれ“男”としての一歩を踏み出す。
やがて宿に訪れる客たちは、皆どこか訳ありで、そして美しく、艶やか。
昼間は汗を流しながら働き、夜は畳の上で、湯煙のなかで、縁側の風の下で……。
心も身体もとろけるような時間の中で、優太は女性たちの手ほどきを通じて、大人の快楽と切なさを知っていく。
そして最終夜、再び女将と重ね合う肌。
それはただの思い出か、それとも──。