トランプ米大統領はなぜ「グリーンランド」を欲しがるのか?
北極を見れば、世界の未来が分かる―。
氷解とともに動き出した超大国の覇権争い、資源開発、気候崩壊の最前線。
「北極」と聞いて何が思い浮かぶだろうか。氷に閉ざされた海、ホッキョクグマ、オーロラ、犬ぞりでの冒険――。実は今、北極はロマンあふれる未知の海といったイメージで語れる場所ではなくなり、その容貌を急速に変えつつある。地球温暖化、安全保障、資源開発など、さまざまな面で注目される最前線なのだ。
北極取材班代表の出井亮太は、本取材で2024年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。
変貌する北極の現状を取材するため、時事通信社が2024年に編成した取材班。政治、経済、科学、外交、安全保障、水産各分野の専門記者と特派員で構成し、取材成果は連載企画「66°33′N =北極が教えるみらい=」と題して配信された。本書は、この連載に大幅な加筆を施し、その後の情報をアップデートしたものだ。