「ずっと、待っていたの……っ」
無能王女と蔑まれてきた王女クローディア。本当は「とある特別な力」を持っているにもかかわらず、その能力の希少性から他言することを父王に禁止されていた。
虐められ隔離され、ひとりぼっちの彼女の支えは幼い頃に『迎えに来る』と約束した男の子だけ……そんなある日、魔物が多く棲む原始の森近くを治めるブラッドロー辺境伯から妻にと望まれる。なぜ有能な妹ではなく「無能王女」を選んだの? 役立たずなのに、どうして優しく見つめてくれるの?
――あなたが『必ず迎えに来る』と言ってくれたから、それだけを頼りに耐えた。
これは孤独な王女が遠く離れた辺境にて、本当の幸せを掴むまでの物語。