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●『露日衝突1904』:120年の時を超え、今こそ読み解かれる「リアルタイム」の国際政治
1904年、日露開戦直後。アメリカで「キリスト教国ロシア」を支持する世論が優勢な中、30歳の日本人学者・朝河貫一博士(ダートマス大学講師)が著したのが、本書の原著『The Russo-Japanese Conflict:Its Causes and Issues』です。朝河博士は米国各地で講演し、この著作を通してアメリカの世論を日本支持へと転換させました。
●なぜ今、この本を読むべきなのか?
本書が書かれたのは120年前ですが、ロシアが領土拡大を試みる構図は、現代の国際情勢と驚くほど重なります。日露戦争が「遠い昔の出来事」ではないことを、本書は私たちに教えてくれるでしょう。
なぜ日露は衝突したのか? その原因と、現代にも通じる国際政治の「議論すべき問題」を、超一流の学者がリアルタイムで分析した本書は、平和維持の現実を学ぶ上で、今を生きる私たちに貴重な視座を与えてくれます。
●本書が解き明かす「日露衝突」の深層
本書は、日露の対立を単なる領土争いにとどめず、経済構造、国際道徳、そして文明間の衝突として深く掘り下げています。
経済的な衝突:工業化を進める日本と、陸上拡大を続けるロシアの利害が、東アジア市場の開放をめぐっていかに衝突したか。
政治的な駆け引き:遼東半島の返還から、門戸開放通牒、そして京義線鉄道問題に至るまで、日露両国と列強各国の外交戦略と情報戦。
韓国をめぐる外交闘争:日本の「優越な利益」とロシアの「戦略的関心」が絡み合い、馬山浦事件や龍岩浦事件といった現場で何が起こったのか。
同盟の真意:日英同盟が「公正開放の原則」を掲げた画期的な同盟であったこと、そしてそれに対抗する露仏宣言が持つ真の意味を読み解きます。
●日本の「正義」と「使命」
朝河博士は、日本が「自国の独立さえも守れない」という現実に目覚め、国際社会における「最も公正で最も信頼できる原則」に基づき行動しようとする熱意を強調しています。この著作は、単なる歴史の解説にとどまらず、日本の国際的な役割と、直面する試練に対する深い考察を示唆しています。
●現代の読者への問い
なぜ宣戦布告の前に武力衝突は始まったのか? そして、なぜ「古い文明と新しい文明は、どちらが勝つのだろうか?」という問いを投げかけたのか?
この詳細な分析と考察は、現代の国際問題に対する理解を深め、私たちが「平和維持の現実」を学ぶための必読書となるでしょう。
本書は、現代の国際情勢を読み解くための、120年前からのメッセージです。