ロジエ伯爵家の長女べルティーナ宛に届いた縁談申込書を見たロジエ伯爵は、今日も彼女の妹であるカーティアへ縁談を回してしまった。
両親は、幼少期から病弱で辛い思いをしてきた妹にこそ、よりよい条件の名家に嫁ぎ幸せになってもらいたいと思い、べルティーナに来る縁談をほぼすべて妹に回し、婚約を結ぼうとしていたのだ。
しかし、そんなことが上手くいくはずもなく二年が過ぎようとしたある日、高齢のアーノルト辺境伯から後妻としてべルティーナを迎え入れたいと婚約の申し込みがあった。アーノルト辺境伯はべルティーナの初恋の相手でもあるヨハン・アーノルトの父だ。べルティーナは驚くものの、辺境伯に嫁ぐことを決意する。しかし、この縁談はヨハンの画策で──。
これは、ヨハンと共にベルティーナが両親との確執を乗り越え、諦めていた自分の人生を取り戻すお話。
電子限定書き下ろしでは、ベルティーナの弟と妹の縁談のお話や、大好きな孫達に泣かれてしまう辺境伯様のお話、ベルティーナとヨハンのその後のお話をたっぷりお届け!