公立の医科大学理事長・学長による内部組織改革の実話。
著者である奈良県立医科大学理事長・学長の細井裕司氏は、
500年ぶりに3つ目の聴覚経路(軟骨伝導)を発見した
耳鼻咽喉・頭頸部外科の教授でもある。
小説『白い巨塔』で描かれた医学部の教授選挙を廃止するなど、
旧態依然とした組織の中で、
不合理の数々を是正した型破りな著者が経緯と本音を語る。
著者の挑戦の根源にあったのは、地方の単科大学である奈良医大のブランド力を
上げたいという思いだ。
しかし、数々の改革に対しては、必ずといっていいほど「反対する人」「文句を言う人」が立ちはだかった。
「こうした幾多の抵抗・反対を乗り越えるのに不可欠だったのは、物事の本質を伝え、何が理にかなっているかを議論することだ」(はじめに、より)
教授就任以来、挑戦する人であり続けた著者の奮闘の日々と改革を詳述した本書は、旧態依然とした組織に対するヒントや起爆剤になるはずだ。
改革1 奈良医大を全国区へ
──早稲田大学との連携協定で教育・研究を強化
改革2 優秀な学生を集める
──入試改革で偏差値を東大理3に次ぐレベルに
改革3 挑戦する人材を育成
──教育改革で豊かな研究力と起業家精神を育む
改革4 公正な教授選挙へ
──教授選挙の廃止と選考方法の透明化で信頼を獲得
改革5 医療の未来を共創する
──154社との産学連携を結実させ、社会に還元