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発作が抑えられていても、薬が効いていても、「社会の中で生きること」が難しい――。てんかんとともに生きる多くの人が直面しているのは、病気そのものだけではありません。周囲の偏見、家族の過剰な心配、そして「自分にはできない」と思い込んでしまう気持ち。本書が問いかけるのは、そうした“見えない壁”の正体です。著者の福智寿彦医師は、てんかん診療の現場で長年、患者一人ひとりの人生に向き合ってきました。その中で強く感じてきたのは、「発作を止めること」だけでは、人は自由になれないという現実です。本書は、「発作があるかどうか」だけでは測れない、てんかんとともに生きる人の現実に光を当てた一冊です。発作が落ち着いていても、社会に出られない。「危ないから」と可能性を閉ざされてしまう。進学や就労の機会を失い、いつの間にか孤立していく――。そうした生きづらさは、なぜ生まれてしまうのでしょうか?本書では、当事者の歩みをたどりながら、てんかん患者が直面しやすい「目に見えない壁」の正体を丁寧にひもといていきます。それは決して、本人の努力不足や、病気そのものだけが原因ではありません。医療の枠組み、社会のまなざし、家族との関係、そして本人の心の中に生まれるブレーキ――複数の要因が重なり合うことで、「自由に生きづらい状態」が形づくられていくのです。本書は、「がんばれば何でもできる」と励ます本ではありません。てんかん当事者にとっては、「自分の人生を取り戻すためのヒント」を得られる本。家族や支援者にとっては、「守る」から「支える」へ関係を見直すきっかけとなる本。そして医療・福祉関係者にとっては、治療の枠を超えた“リカバリー志向”の支援を考えるための実践書です。見えない壁は、越えられる。その一歩を踏み出すために、本書はあります。
9784065434567
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