仮面の女

仮装パーティーで出会って情熱の一夜。
正体がばれたくないのは、ヒロイン、自分に自信が無いから。
でも、ラブコメディ物の常として、隠し事は最悪の形でばれる。

矯正プログラムが、趣旨はいいのに、バスケの描写がただバスケをしているようで、細部や効果はよくわからなかった。しかし、熱血教師ヒロインの学外活動への、彼の理解は嬉し過ぎるほど。期待以上の貢献をする彼は素晴らしい。

あまり、アメリカを舞台にしている実感は少なくて、その一方、貧困や片親家庭の失業や、生活に追われて養育環境が疎かになる状況といった、問題の所在に温かい目線。ヒロインの志の高い奉仕活動部分を通じて彼はヒロインを認め、ヒロインは彼のプログラムに対する姿勢を通じて、外からは分からなかった彼の良さがスッとわかってくる。

ただ、たとえ一晩でも忘れられないほど気に入ったのなら、そこまで被るイメージを見出だしながら、疑いを抱かずにいられるものだろうか。昨今、カラーコンタクトやウィッグも相当普及し、瞳の色、毛髪の色は仮装パーティーなら変えていて当然。だが、背格好や声などはそう変えられないだろう。まして電話なら音声情報のみにフォーカス出来て、身近な二人の女性なのだからダブりそうなのに。更に、決定的な、再度の致してしまった夜の後も、当初割と疑惑燻らせながらも確信していないが、そこは、何となくの湧き出す疑念に駈られて動いて挙げ句に見つけちゃう方が、変な能天気さでまぬけ人間みたいに彼がならずにいい、とさえ思う。ま、ここはHQだから、それに、そういう疑い方によってではなく、偶然の産物にした方が、二人の今後の関係からは禍根は残さない、とは言える。でもでも、彼って弁護士なのだからね、とは思ってる。

すごく狭い人間関係の中で繰り広げられている話。
その中で、彼が正体が判らないという話を一体幾つ読んで来たことだろう。この類型では、そのイベントから、異性として相手の意外性を知っていくことになる。

謎の達成感、という二人の会話のシーン、良かった。もっと印象づけてもいいくらいに思った。

いろいろ小さな不思議さはあるが、中身は間延びがなくて、充実していた。
(補:私は巻頭以外は彩色はちょっと・・。好みと自分の目の問題ですが。)

原作のチョイスがとても大事な原作付きの漫画。前作は試し読みだけで購入まで食指が動かなかったのは、シリアス路線だったからか？

タイラーというやり手の弁護士の兄と結婚している友達から誘われて仮装パーティに参加したカーリーは堅物教師。でも一夜の逢瀬をタイラーと交わしてしまい・・・

仮面の女性を躍起になって探すタイラーと、絶対にバレたらまずいと頑なに隠すカーリー。内容はウィットに富んだ会話や山口センセお得意のドタバタコメディが根幹です。

彼らのキューピットというべきブレンダ・ジェイソン夫妻もお節介焼き過ぎず、でも必要ならば焼く素敵な夫妻。
タイラーとカーリーも素敵な夫婦になるのは間違いない

山口センセはシリアス過ぎないストーリーが絵的に合っているから次作もこんな路線でお願いします。

すごく面白かったです。テンポ良く進むし、絵も綺麗。
読後感も良かったなあ😊
何度も読み返したい。
ヒーローもヒロインも一生懸命で可愛げがあります。
憎しみをぶつけるようなハーレクインあるあるではなく、少しずつ相手のことを知って、絡んだ糸を解きほぐして恋が成就する漫画です。
何となく、昔の山口先生のオリジナル漫画を少し思い出して懐かしかったです。

実は少女漫画を描いてらした時は、そんなに好きじゃなかったのですが(笑)、『赤毛のアデレイド』から猛烈なファンになりました！
とにかくキャラクターが可愛いし、間に挟むギャグが愛おしい！
チャラ男だったヒーローが、真面目で頑ななヒロインに惹かれていき、トラウマから彼女を解放してあげるのには、読んでいて惚れました。
また、義理姉が素晴らしいです！

こちらは原作が好きで、山口美由紀さんも好きだから、ポチり！。正直、原作は、えぇ？ってところがいくつかあります。
そして、この漫画は原作の良くない部分を、綺麗に消し去って、とても素敵な漫画になってます(*ﾟーﾟ)こちらを読んでから、原作を知ると、あれ？ってなりそう。読み比べもいいかも(*･ω･*)