近未来、不特定の街。しがない大学講師「俺」は世の中の早い流れについていけない自称くたびれた中年で、人生二度目のプロポーズもあっさり断られたばかり。そんな「俺」が今まで苦手としていた「買い取り屋」に出向く羽目になったのは単純にプロポーズ用に買った指輪に給料を使い果たしたせいだ。しかし、そこは「命の買い取り屋」だった。死神の女の子は俺の命に一億を払うというのだが……。
【登場人物】
◎俺(先生)……大学の非常勤講師。35歳。とある事情で金欠になったために「買い取り屋」へ赴く。
◎死神……見た目は十代後半の女の子。「買い取り屋」の店員。恐ろしくレトロなドレスを着ている。