花のお江戸を舞台に次々と起こる不思議な事件を、これまた不思議な力で解決していくお妖さんと、自称ケチなチンピラの佐治さんのお話です。
ジャンルはホラーやファンタジーに分類されると思われますが、それだけにとどまらないのが、この作者さ
んのすごいところです。
読みやすい1話完結ながら、ただの恐怖譚として終わらせず、時に可笑しく、時に涙させる場面さえあります。作品の中の台詞に『苦労の多い人間は、それは神様に愛されている証拠』というものがありますが、その台詞に、病に苦しんで亡くなった自分の両親を重ねて泣きました…
登場人物も個性的で、中でも佐治さんの、お妖さんへのベタ惚れっぷりが可愛らしい…あれだけ怪異に振り回されているのに、その元凶たるお妖さんから離れない彼の、その一途さと強さには脱帽です。
1巻だけのつもりが、あまりの面白さに、何巻も購入してしまった…その面白さが恨めしい…
でも買って損は無い!断言します。
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