世間の目に晒されて辟易しているヒロインリンが、盲目のヒーローブレンダンと対峙した時、外見が分からない安心感と、人間性のみで判断される恐怖の葛藤が始まりにはあって、けれどその部分があまり物語には色濃くはなかったという印象を持った。ブレンダンに
してみたら、よくここまで前向きになれたものだと感嘆する。そういった見えない事の後ろ向きスタンスは一切排除されて当たり前に恋物語には「幸運(ラッキー)」であることこの上ない。リンが、受け入れることが出来ているのは、彼女の人柄だけではなくて、見た目重視の職業から逃げてきたことが礎としてあるからとも思う。それ以外のところでは、盲目であるかないかは特別関係の無い進展具合だからブレンダンの強さが際立つとも思うが、少々出来すぎていて他の男性が彼女にチョッカイ出してくるのではという不安さえないのは意気消沈。けれど、犬好きに悪い人はいないと愛犬家は思っていると聞くので、その共通項がまた安心感を連れてくるのかもしれない。何にせよ、人柄で惹かれる理想を「見ることが出来た」のは幸運だった。
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