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新しい挑戦のための読切マンガ企画が誕生!編集部が語る「モアコミegg」創設秘話

インタビュー 15周年
モアコミegg対談記事KV.webp

「活躍の場を広げたいけれど、いきなり連載はハードルが高い。」

そんなマンガ家の悩みに応える新たな取り組みとして誕生したのが、シーモアコミックス初の読切マンガレーベル「モアコミegg」です。

「モアコミegg」には、マンガ家との新しい出会いを増やし、次世代を担うマンガ家を育てたいという編集部の想いが込められています。

今回は「モアコミegg」の立ち上げに携わった編集者・企画担当者の3名に、その誕生秘話を伺いました。

キタムラ
編集部を盛り上げる編集企画担当!プロ向けの勉強会から、未来のマンガ家を育てる学生セミナーまで日々プロデュースし、次世代の編集部作りに貢献中。

リュウ
少女マンガからBLまで網羅!読者の心に寄り添う「等身大の恋愛ストーリー」を数多く世に送り出すマンガ編集者。

 【な】
ファンタジー作品で高い評価を得る一方、リアリティ溢れる人間ドラマから、ほのぼのとした癒やし系のゆるキャラ漫画まで幅広く手がける、オールラウンドなマンガ編集者。

シーモアコミックス初!読切マンガ作品に特化した「モアコミegg」とは


「モアコミegg」は、シーモアコミックスとして初めて立ち上げた読切マンガ作品専門のレーベルです。
これまでのレーベルは連載作品が中心でしたが、「モアコミegg」では読切マンガ作品のみを配信します。コミックシーモアで独占先行配信し、年4回の配信を予定しています。
ジャンルも限定せず、少年・青年・少女・女性・BL・TLと、幅広い作品をお届けしていく予定です。

ーー「モアコミegg」はどのような課題から生まれたのでしょうか。

 リュウ

これまでシーモアコミックスでは、マンガ家さんへの依頼は基本的に「連載」が前提でした。

そのため、1〜2年という長い期間、一緒に作品を作っていく必要があり、出会ったばかりのマンガ家さんに、いきなり連載をお願いするのは、お互いにハードルが高かったんです。

マンガ編集者は「長く一緒に作品づくりができる方か」を見極める必要がありますし、何よりマンガ家さんには「この編集者とやっていけるだろうか」という不安があります。

商業経験の浅いマンガ家さんや、出張編集部・専門学校などで出会った商業経験のない方の場合は、なおさら連載への不安が強いと思います。
だからこそ、まずは読切マンガ作品を一緒に作れる場所が必要だと考えました。

キタムラ

いきなり長期連載ではなく、まずは一本の作品を一緒に作り、お互いを知る。
読切マンガなら、お互いに挑戦しやすいですよね。

ーーこれまでは、連載前提だからこその難しさもあったのでしょうか。

 【な】

ありましたね。
「この方と一緒に作品を作りたい」と思っても、すでに他社で連載を抱えているマンガ家さんはスケジュールが埋まっていることも多く、なかなか実現できませんでした。

 リュウ

 実際に「2年先まで予定が埋まっています」というマンガ家さんも珍しくありません。

読切マンガであれば連載ほど長期間のスケジュールを確保する必要がないため、マンガ家さんにもお声がけしやすくなりますし、これまで描いたことがないテーマにも挑戦しやすくなります。
編集者にとってもマンガ家さんにとっても、新しい出会いやチャレンジを生み出しやすい形が読切マンガです。

編集部15周年、新しい挑戦が始まるまで

ーー企画はいつ頃から動き始めたのでしょうか。

 リュウ

2025年8月頃ですね。
私はイベントや専門学校での出張編集部に力を入れていまして、そういった場で出会うマンガ家志望の方・新人マンガ家さんとシーモアコミックスとの接点を広げたいという思いがありました。

当初の案は、読切マンガだけを集めた雑誌の創刊でした。
ただ、シーモアコミックスは幅広いジャンルを扱っているため、一冊の雑誌にまとめると「この作品は読みたいけれど、このジャンルは違う」と悩む読者さんが出てきます。

そう考えた結果、読切マンガレーベルという形で展開することになりました。

 【な】

ジャンルを限定しないシーモアコミックスだからこその判断でした。
その方が、より多くの作品を読者に届けられると考えたんです。

 リュウ

2026年でシーモアコミックスは発足15周年なんです。15周年の節目に新レーベルを立ち上げるプロジェクトとして動き始め、部内外のメンバーに協力をあおぎました。

結果、マンガ家さんのキャリアを問わず、シーモアコミックスのマンガの可能性を広げる場としての読切マンガレーベル、というコンセプトが固まっていきました。

ーー立ち上げまでに苦労したことはありますか。

 【な】

一番苦労したのは、読切マンガ作品ならではの売り方です。

連載作品のように「第1話無料」「3話無料キャンペーン」といった施策が使えないため、広告の活用方法や配信の仕方などを、一から考え直す必要がありました。

 リュウ

私たちだけでは答えが出せなかったので、コミックシーモア側のチームにも協力してもらいながら「どうすれば企画を成立させられるか」を一緒に考えていきました。

キタムラ

初めての取り組みだったからこそ、多くの部署を巻き込みながら進めました。
本当に"ワンシーモア"で作り上げたプロジェクトです。

「羽ばたく場所」を形にする、読切マンガという挑戦

ーー「モアコミegg」という名前には、どんな想いが込められているのでしょうか。

 リュウ

新しい才能や新しい物語が集まる場所にしたい。
そんな構想から、「卵からさまざまな鳥が生まれる場所」をイメージして「モアコミegg」という名前が生まれました。

名前が決まってから「ここは新しいマンガを育て、羽ばたかせる場所なんだ」というイメージが、メンバーの間で強くなりました。
親鳥のような気持ちでマンガ家さんが安心できる場所を作りたい。作ったマンガが広い場所に届くように支えたい。
そういう想いの共有が編集者の中でも、それ以外のメンバーの間でも、自然に進んでいきました。

ーー印象的なキャッチコピー『きみの漫画はここから羽ばたく。』は、どのように生まれたのでしょうか。

 【な】

「ここから新しいマンガが生まれ、羽ばたいていく場所」というイメージをどう表現するかを考え続けて生まれた言葉です。

 リュウ

「きみ」という言葉には、マンガ家さん・読者の方へ呼びかける意味と「卵の黄身(きみ)」を重ねた遊び心も込められています。

マンガ家さんにとっても、読者の方にとっても、新しいマンガとの出会いがここから始まる場所になってほしい。そんな願いを込めたキャッチコピーです。

ーーマスコットキャラクターやロゴにも、その想いが反映されているそうですね。

 【な】

レーベル全体にも「生まれる」「育つ」という世界観を取り入れたいと考え、卵から生まれるひよこのマスコットキャラクター「エッグちゃん」を制作しました。たくさんの作品やマンガ家さんがここから羽ばたいてほしいという願いを込めています。

また、ロゴの色にもこだわりました。オールジャンルのレーベルだからこそ、「男性向け」「女性向け」といったイメージにとらわれず、多様性を表現できるよう、さまざまな色を組み合わせています。

キタムラ

卵やひよこというモチーフがレーベルのコンセプトにぴったりで、本当にいいネーミングになったと思います。
今後はレーベルのシンボルとして、多くの方に親しんでもらえる存在になれば嬉しいです。

読切マンガだからこそ、新しい挑戦ができる!

ーー「モアコミegg」だからこそ実現できた、新しい挑戦はありますか。

画像:『やけくそ勇者ご一行』(著:LOVE麦茶)

 【な】

「モアコミegg」はオールジャンルのレーベルなので、ジャンルに縛られず新しい作品づくりに挑戦できるのが大きな魅力です。

私自身も、以前から担当してみたかった少年マンガに挑戦する機会をいただき、今回『やけくそ勇者ご一行』(著:LOVE麦茶)を担当しました。

この作品をきっかけに、今後はさらにジャンルの幅を広げ、新しい作品づくりにも取り組んでいけたらと思っています。

ーー読切マンガならではの魅力を教えてください。

画像:『抱けっ!!』(著:穂鷹にか)

 リュウ

 個人的に、読切マンガの最大の魅力は「一番描きたいシーン」にマンガ家さんが全力を注げることだと思っています。

連載マンガは世界観やキャラクターを積み重ねながら物語を描いていきますが、読切マンガは限られたページ数の中で読者の心を動かさなければなりません。

だからこそ導入はできるだけコンパクトにして、一番見せたい場面へテンポよくたどり着く。その結果、作品の"見せ場"マンガ家さんが本当に描きたいものがぎゅっと凝縮されます。

私が担当した『抱けっ!!』(著:穂鷹にか)でも、恋愛ならではの二人のギャップや心の変化を一番印象的に読者の方に届けられるよう、そこへ至るまでをできるだけ分かりやすく短くした、スピーディーな構成になっています。

ーー読切マンガだからこそ、マンガ家の個性が際立つこともあるのでしょうか。

画像:『怖がりな君へ』(著:鬱野紫苑)

 リュウ

たとえば私が担当した『怖がりな君へ』(著:鬱野紫苑)は、「コミックシーモア毎月マンガ賞」への投稿をきっかけに生まれました。

鬱野先生の投稿作品を読んだときに「会話のテンポや語り口が本当に面白い」と感じたため、その持ち味を思い切り生かせるように、会話を中心とした構成で作品づくりを進めました。

連載では何話にもわたって同じ表現を続けるのは難しいこともありますが、読切マンガ形式ならマンガ家さんが得意な表現に振り切ることができます。

30ページ近い作品を会話だけで読ませる力があり「鬱野先生にはこんな武器があるんだ」と改めて実感しました。読切マンガだからこそ見えた魅力だったと思います。

編集者が求める"一緒に作品を作りたい"マンガ家とは

ーーモアコミeggに掲載する作品を決める際、編集部として特に重視していることはありますか。

 リュウ

「読切マンガであること」以外に、「モアコミegg」のレギュレーションはほとんどありません。
シーモアコミックスに所属するマンガ編集者それぞれの、「このマンガ家さんと作品を作りたい」「この企画を読者へ届けたい」という熱意を大切にしています。

私がマンガ編集者として重視しているのは、読者の存在を意識してマンガを描けるかどうかですね。
「このシーンで驚いてほしい」「ここで笑ってほしい」「感動してほしい」というふうに、読者へ何かを届けようというサービス精神がマンガ作品から伝わってくると、一緒に作品づくりをしたいと心惹かれます。

 【な】

私が惹かれる作品は、すごくシンプルですが、「面白かった」と思える作品かどうかですね。

もちろん、その面白さにもいろいろあります。ストーリー展開が抜群に上手い方もいれば、キャラクターが魅力的な方、世界観に引き込まれる方もいる。
すべてが完璧である必要はありません。「この人にはここだけは誰にも負けない」という強みが一つでもあれば、一緒に作品を作ってみたいと思います。

商業マンガは、自分が描きたいものを描くだけでは成り立ちません。読者さんがどう感じ、どう楽しんでもらえるかまで考えられるマンガ家さんは、とても魅力的ですね。

キタムラ

編集部内でも「このページ、すごくいいよね」「このコマは思わず推したくなるね」と盛り上がることがよくあります。
自然と視線を引きつけ「このコマが忘れられない」と思わせる表現ができる方は、とても印象に残ります。

新人マンガ家が羽ばたく場所へ。「モアコミegg」が描く未来

ーー新人マンガ家にとって、読切マンガを制作することにはどんな意義があると思いますか。

 リュウ

「担当編集者と一緒に作品を完成させる」という経験そのものに、大きな意義を私は感じます。

じつは、マンガを最後まで描き切ることは本当に難しいんです。
だからこそ、一つの作品を完成させて世に送り出したという経験は、新人マンガ家さんにとって大きな財産になると思います。

 【な】

「モアコミegg」を立ち上げるときにも、「まず一本描き切ってもらうことを大切にしよう」と話していました。

「モアコミegg」では商業作品として原稿料をお支払いします。
作品を完成させる達成感だけでなく、「自分のマンガで仕事ができた」という成功体験が「次も描こう」という自信につながると思っています。

キタムラ

作品を完成させる達成感も、商業マンガ家としての手応えも得られる。「モアコミegg」は、新人マンガ家さんにとって大きな一歩になる企画です。

ーー「モアコミegg」で読切マンガを掲載後、連載化するまでは、どのような流れを想定していますか。

 【な】

大きく二つのパターンを考えています。
一つは、読切マンガが多くの読者に支持され「続きが読みたい」という声からそのまま連載化するケース。

もう一つは、読切マンガを何本か一緒に制作しながら担当編集者との信頼関係を築き、その上で各レーベルへ企画を提案し、連載につなげていく流れです。

 リュウ

一人ひとりに合った形で、連載へつなげていけたらいいなと考えています。

ーー「モアコミegg」を今後どのような場所にしていきたいと考えていますか。

 リュウ

「短い。だから、熱い。」
そのキャッチコピーの通り、限られたページ数だからこそ生まれる濃密な物語と、マンガ家さんの熱量を読者へ届け、熱い才能が思い切り挑戦できる場所になってほしいですね。

また、オールジャンルのレーベルだからこそ、さまざまな作品と出会い「こんなマンガも面白いんだ」「自分はこんな作品が好きなんだ」と、読者の皆さんに新しい発見を届けられる場所になればと思います。


 【な】

読者の皆さんには"好き"の幅を広げてもらい、マンガ家さんには「ここなら新しいことに挑戦できる」と思ってもらえる場所にしたいですね。

そして『恋するソワレ』をはじめ、シーモアコミックスの各レーベルを支えるようなマンガ家さんが、ここから生まれてくれたらと…思っています。

キタムラ

そのマンガ家さんに憧れて、「私もここで描きたい」と思う方が増えていく。
そんな素敵な循環が生まれるレーベルを目指しています。

ーー最後に、シーモアコミックスへの応募を考えている皆さんへメッセージをお願いします。

 リュウ

シーモアコミックスは15周年を迎え、掲載形式も取り扱いジャンルも、これまで以上に幅広い作品づくりに挑戦できる環境を整えています。
「自分の作品はどんな形なら一番輝くだろう」と迷ったときは、ぜひシーモアコミックスへ!


 【な】

オールジャンルの作品を扱えること、そして電子コミックならではの強みを生かして、多くの読者へ作品を届けられることが私たちの強みです。

本気でマンガを描きたい」「挑戦してみたい」という気持ちがある方は、ぜひ一歩踏み出していただけたらうれしいです。

キタムラ

すでに活躍されているマンガ家さんはもちろん、商業デビューを目指す新人マンガ家さんにとっても、挑戦しやすく、さまざまな才能を受け止められる場所でありたいと思っています。

「モアコミegg」から新しい作品やマンガ家が羽ばたいていく。その未来を担うマンガ家さんからのご応募、お待ちしています。

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『やけくそ勇者ご一行』

『抱け!!』

『怖がりな君へ』

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