近藤信輔原作によるTVアニメ「忍者と極道」のイベント「『忍者と極道』先行上映会~みんな!最速視聴キメろォォ!!~」が、本日10月4日に東京・TOHOシネマズ新宿で開催された。イベントには多仲忍者(たなかしのは)役の小林千晃、輝村極道(きむらきわみ)役の小西克幸、ガムテ役の上坂すみれ、そして原作者の近藤が登壇。なお、イベントの進行は小林が務めた。
「灼熱(あつ)過ぎるポイント」は生首
イベントでは放送に先がけ、第1~3話を上映。その後に行われた小林らのトークパートは、YouTubeでほぼ生配信された。トークパートでは、極道とガムテら“破壊の八極道”にちなんで用意された8個の質問に、時間が許す限り答えていく企画コーナーを展開。まず「アニメの灼熱(あつ)過ぎるポイント」を尋ねられると、小西は「生首」と即答し、来場者に「生首お面」を配っていたことに触れる。上坂も「職務質問されたら終わりかも」と同意。小林が「原作でも首が飛んでなんぼじゃないですけど、首が飛んでからが見せ場というか」と返すと、小西は「そう、首が飛んでからも普通にしゃべるんだって。アフレコのときも、首が飛んだ人は最初苦しそうに演じていたんですけど、『普通にしゃべってください』って言われて、みんな普通にしゃべり始めるようになったんですよ」と、収録時の裏話を明かした。
原作を読んでいたときから、夢澤の兄貴こと夢澤恒星の極道技巧(スキル)「進撃の極道電車道(しんげきのヤクザライナー)」が大好きだったという上坂は、そのシーンに鷲掴みにされたと発言。小林は「『忍者と極道』が好きな人で、極道電車道が嫌いな人なんていない」、小西は「出発進行!だもんね。あそこは一番最初に掴まれるよね」と頷いた。
ガムテと忍者の“ぶっ殺すラッシュ”にテンションが上がった
次に「自身が演じる分身(キャラクター)について」と問われると、上坂はガムテと忍者が戦うシーンを振り返り、「ガムテと忍者の“ぶっ殺すラッシュ”が、アニメで聞けて本当にテンションが上がりました。そこは特に演技プランはなかったですね。いろいろ考えて現場に持ち込むんですけど、着くとすべて忘れてしまって、もうとにかく大きい声、汚い声で死ね死ねって。頭が死ねでいっぱいの子でした」と述べる。
小西が演じる極道は、極道の裏組長であり、サラリーマンであり、「プリンセスシリーズ」のオタクであり、忍者の親友であるといういろんな側面を持つ人物。小西は「極道さんはいろんな顔があるので、そこのバランスを取るのが演じていて難しかったですけど、すごく楽しかったです。演じていると、意外と勝手に表情が変わるんですよ。それくらい、キャラクターにも作品にも力があるんだろうなって思いました」と語りかける。
笑うことができず、学校にもなじめず、帝都八忍にしか心を許せない忍者について、不器用な子というイメージを持ったという小林。そんな中で、忍者が極道という少し年齢の離れた初めての友達ができたことで変わっていくことを示唆しつつ、小林は「極道さんのおかげで、段々表情も柔らかくなりつつも、やっぱり忍者のときはオンオフが入るというか。ただ殺意を持つだけじゃなく、殺す瞬間には敬意をもってぶっ殺すっていう、忍者としての矜持も持ち合わせている、すごくカッコいいキャラクターです」と続けた。
小西さん、極道さんだ!
「アフレコで驚愕(パネ)ェと思った瞬間」というお題に対しては、アフレコ自体が「進撃の極道電車道」のような勢いで終わり、あっという間だったと語り合う3人。小西と上坂は、ライブやジャズのようにキャストのみんなでセッションをしているようだったと振り返りながら、「どの声優が生き残るかみたいな感じだった」「テストの段階から全力だった」と口々にする。小林は、第2話で描かれる極道の演説シーンでの、小西の演技に鷲掴みにされたと言い、「このセリフは10秒で言い切って次に行かなきゃいけないとか、尺が決まっているわけじゃないですか。そこがビタッと決まってましたから。小西さん、極道さんだ!って思いました」と絶賛。小西は照れつつも、「“尺合わせ”の極道技巧を持ってますから」と返して、笑いを誘った。
3人の演技は「完璧でした」
イベント中盤では、ファンの前に声を出して姿を現すのは初めてという近藤が、生首お面を被って登場。近藤には、「素直(ぶっちゃけ)キャストの演技はどう?」という質問が投げかけられる。オーディションから携わり、リモートと現場ですべてのアフレコに立ち会ったという近藤は、3人の演技について「完璧でした」と断言。小西は安堵しながら、オーディション時に「『忍者と極道』大好き声優、小西克幸です」と自己紹介して挑んだことを話し、「ズルい手を使ってよかったです。なかなか作品愛を届けるところってないじゃないですか。絶対アニメ化しないと思っていたので、どうしても出たかったんです」と、正直な気持ちを伝える。それを受けて近藤も「担当さんとも常に、配信オンリーならあるかもしれないけど、TVアニメ化はしないんじゃないかと話していて。本当にTVアニメ化のお話をいただけるとは」と、感慨深く答えた。
原作と二重唱(にけつ)で観てほしい
最後に上坂は、「ガムテはやっていることはヤバイんですけど、がんばり屋さんでかわいいところもいっぱいある。段々好きになってもらえるキャラクターだと信じて声を吹き込ませていただきました。辛いときに観ると元気が出るので、人生に役立てていただけたらうれしいです」とアピール。小西は「とりあえず、騙されたと思って第1話を観てください。『忍者と極道』って文字の読み方が特殊だったりして、その面白さもあるんですよね。ぜひとも原作未読の方は、原作を読んでいただいて。アニメと原作合わせてよろしくお願いします」と呼びかける。
小林は「『忍者と極道』、アニメ化マジかっていうのが、キャスト含む制作陣の最初の言葉でした。本当にテレビで放送できるのかというマンガの内容を、忠実にアニメーションに落とし込んでいますし、アニメーションだからこその動き、色使いにもつながっていますので、ぜひ原作と二重唱(にけつ)で、ほかにはない魅力の詰まったこの素晴らしい作品をたくさんの人に観ていただけたら幸いです」とコメント。近藤は「『忍者と極道』は、自分が面白いと思ったことと、全人生を詰め込んでいる作品。それをこんなすごいアニメにしていただいて感謝しかないです。ぜひ皆さん、アニメが始まったら観てください」と、ファンへメッセージを贈った。
TVアニメ「忍者と極道」
放送情報
日本テレビ:2025年10月7日(火)より毎週火曜日25:59~ ※初回は26:05~
BS日テレ:2025年10月8日(水)より毎週水曜日24:00~
配信情報
Prime Video:2025年10月7日(火)より毎週火曜日26:30~
スタッフ
原作:近藤信輔(講談社「コミックDAYS」連載)
監督:渡部穏寛
シリーズ構成:大知慶一郎
キャラクターデザイン:松竹徳幸
美術監督:荒井和浩
色彩設計:門脇由佳
CGディレクター:大嶋慎介
撮影監督:越山麻彦
編集:松原理恵
音響監督:明田川仁
プロデュース:グッドスマイルフィルム
アニメーション制作:スタジオディーン
キャスト
多仲忍者:小林千晃
輝村極道:小西克幸
ガムテ:上坂すみれ
神賽惨蔵:森川智之、小野賢章、東内マリ子、三瓶雄樹、町山芹菜、ボルケーノ太田、金元寿子
璃刃壊左:大塚芳忠
祭下陽日:内田雄馬
病田色:花澤香菜
覇世川左虎:古川慎
邪樹右龍:安元洋貴
雄鷹斗女:井口裕香
夢澤恒星:間宮康弘
殺島飛露鬼:子安武人
繰田孔富:杉田智和
砕涛華虎:楠大典
蟲原真夜:能登麻美子
(c)近藤信輔・講談社/「忍者と極道」製作委員会
(コミックナタリー)