マンガ多すぎ!業界最大級!!
漫画(まんが) ・電子書籍のコミックシーモアTOP > コミックニュース > アニメ映画「ホウセンカ」小林薫ら完成映像へのじんわりとした感想語る
アニメ映画「ホウセンカ」小林薫ら完成映像へのじんわりとした感想語る

2025/10/12 09:00

アニメ映画「ホウセンカ」の公開記念舞台挨拶が去る10月11日に東京・新宿バルト9にて行われ、キャストの小林薫、戸塚純貴、満島ひかり、宮崎美子、ピエール瀧と木下麦監督が登壇した。なおイベントは上映後に行われた。

完成映像にはアニメ、そして音楽の力が感じられる

10月10日に公開されたばかりの「ホウセンカ」。小林が「皆さんどうでした?」と呼びかけると、観客からは大きな拍手が返された。そして小林は2年前のアフレコ現場でのあるエピソードを話す。「現場で監督さんに、アニメでヒットしてるのは思春期というか、若い男女の恋愛ものというか。そういうものでないと当たらないんじゃないかと思って、老ヤクザが死にかけに大逆転っていうのは誰が見るんだ、と失礼なことを言ってしまいまして。でも完成した映像を観て感動いたしました」と述べ、「他のものに変えられない、何か無償の愛的なものを感じて。ずっと日本人の中に通底しているものが生き残っていると感じて、気持ちのいい仕事をしたと思っています」と語った。

今作でアニメ声優に初挑戦した戸塚。「30歳を過ぎて、いろんな選択をする場面が増えてきたなと思っていて。阿久津を演じることで、そういった決断する勇気みたいなものをもらったところがありました」と語る。また映像が完成していない状態で声をあてるプレスコアリングという手法に苦戦した反面、完成映像に感動したことを明かす。「想像ができていなかったからこそ、冒頭の花火のシーンでものすごい感動して。絵全体の幸福度というか、すごく幸せな気持ちになりましたし、夢が広がっていくような、アニメーションの力を感じました」と話した。

満島ひかりは最初に脚本を読んだときに「随分渋いアニメだな」と思ったと告白し、「監督に『すごいパンクですね』っていう話をしたような覚えがあります(笑)」と語る。また印象に残っているシーンに冒頭の花火のシーンを挙げ、「ceroの音楽がかかって、ばーっと花火が上がりながら、登場人物たちが1人ひとり紹介されていって。全体的に音楽の力も感じました」と述べた。そのほかにも、戸塚とともに収録を進めていく中で「アニメーションだけれど、実写の映画を撮ってるかのように2人で生活する姿をいくつも描けました。けっこう好きな場面はいっぱいありますね」と話した。

もし実写化したらピエール瀧が大変なことに……アニメならではの作品

宮崎は脚本をもらったとき、収録時、完成映像を観たときともに「どんなふうに表現したらいいんだろう」という気持ちになったと告白。「なかなか感想がまとまらなかったですが、皆さんも今、それぞれの心の中にいろんな言葉や気持ちが浮かんでらっしゃるんだろうなと思って。言葉にならなくても、その気持ちの揺れ動きをお伝えいただけたら、そして大切に思っていただけたらうれしいなと思います」としみじみした表情を見せた。

ピエール瀧は小林の感想に同感し、「声を入れたときは誰がいつどんな時に見る映画なのかまったく想像がつかなかったんですけど、ご来場くださった皆さんの顔を拝見いたしますと、老若男女すべていらっしゃるということで。木下監督は『ほら!』と思っていると思います」とコメント。またSNSで“実写化でもいいのではないか”といった声を目にしたと話し、「実際に俳優さんたちが出演しているし、いけるなって思いはしたんですけど。そしたら(ホウセンカ役の)俺は毎日身体を緑に塗らなきゃいけない! だからアニメじゃないとできない作品なんです!」と主張し、会場の笑いを誘った。

映画の公開を迎え、木下監督は「派手さがない映画ではあったと思うんですけど、少し大げさなことを言うと、日本のアニメはすごく世界に誇れるカルチャーだなとすごく思っていて。日本人にしか作れないものがあるというものがあると思うんですね。そんな土壌の上で、さらに新しいものを作っていくってことが僕はすごく意義のあることだと思ってるので、創造性というものを大事にして映画にしました」と語る。また独房の中であまり動かない阿久津に対して、自由に動き回るホウセンカの動きはどのように作られたかと問われると「年をとった阿久津は動きが少ないので、ホウセンカは柔軟に動くキャラクターにして、ギャップで絵を面白くしていこうとしました。アニメーターさんも瀧さんの声を何回も聞きながら調整をしてきました」と解説した。

「ホウセンカ」はTVアニメ「オッドタクシー」を手がけた木下監督と此元和津也のコンビが贈る最新作。物語は独房で孤独に死を迎えようとしている阿久津に、人の言葉を操るホウセンカが声をかけてくる場面からスタートする。阿久津はホウセンカとの会話の中で、かつて一緒に暮らしたパートナーの那奈や息子・健介との過去を思い返していく。

「ホウセンカ」

公開中

スタッフ

監督・キャラクターデザイン:木下麦
原作・脚本:此元和津也
企画・制作:CLAP
音楽:cero(髙城晶平、荒内佑、橋本翼)
演出:木下麦、原田奈奈
コンセプトアート:ミチノク峠
レイアウト作画監督:寺英二
作画監督:細越裕治、三好和也、島村秀一
色彩設計:のぼりはるこ
美術監督:佐藤歩
撮影監督:星名工、本䑓貴宏
編集:後田良樹
音響演出:笠松広司
録音演出:清水洋史
制作プロデューサー:伊藤絹恵、松尾亮一郎
宣伝:ミラクルヴォイス
配給:ポニーキャニオン
製作:ホウセンカ製作委員会

キャスト

小林薫、戸塚純貴、満島ひかり、宮崎美子
安元洋貴、斉藤壮馬、村田秀亮(とろサーモン)、中山功太
ピエール瀧

(コミックナタリー)
メールで送る

お得情報をGET!登録してね

▲ページTOPへ