私は幼少期、転校や引越しばかりでした。
東京品川に越した時のこと。
大きな母屋と離れ屋、二階建ての家が一つの敷地内にありました。そこが新たな借家です。
庭には大人が二かかえするくらいの大きなイチョウの木がありました。
その下にコックリさんを祀った狐塚がありました。
裏の離れは父の仕事関係の人が、住むこととなりました。
不思議な家で、台所からお茶碗のなる音が絶え間無く響いてきました。
誰かが鳴らしてる。子供心にそう思ったものです。
ある日、テレビを見ていてふと背中に誰かの気配を感じました。
振り返ると、黒くぼやっとしてはいましたが、はっきりとした女性の姿がありました。現代でこそ言われてますがシャドーピープルだったのですね。
その姿はすー、、、っと横切りました。私が追いかけると押入れとタンスの細いところに影は入って行きました。
気のせいかと思いましたが、確かに居たのです。
不思議なことに夜の茶碗の音は鳴り止まず、人の気配はあちこちにありました。姉は濡れ縁に首だけもたげた少年の姿を見ています。
その後、黒い影は玄関が開く時の鈴をならして入ってきます。私の机の横に座ったりしてました。
ある日我が家で朝から、大きな声が響きました。裏の離れに住んでいた屈強な おじさんが死んでしまったのです。突然死でした。
両親共に、私たち子供には隠してましたがおじさんは、何かに怯えていたとのちに聞きました。
しばらくして、私たちはまた引っ越しました。
怖い家ってあるんだなと、思います。引越し先での経験はこれだけではありませんが、いく先々でいろんな霊に遭遇しました。
東京都葛飾区では 夜中に、お腹を思い切り踏まれ見ると鬼のような大きな足が有りました。金縛りは恐ろしいもので、耳の中で恐ろしく低い声が響きました。
霊はいるのだと考えると、2歳くらいの時に幽霊にかかえられ空を飛び、近所のおばさまたちと座談会をする母を見たのも、夢ではないのかもしれません。
眠りから覚めてその場所に行くと母は、みなさんとその場所にいたのですから。
イチョウの木…