親とケンカをしてなんとなく帰りたくなく、夜のドライブをしようとF県F市M地区のダムからY県Y市方面に抜ける道を走った。
山道を抜け、ダムを通りすぎ、トンネルを通りすぎようとすると、大柄な男性の黒い立体的な影が車道に向けて立っているのが見える。
時計を見ると22時であった。山の中で何もない場所である。どう考えてもおかしい…。
夏だったがそれなりの暑さだったためエアコンはつけていなかった。
しかし、男性を見てから車内が急激に寒くなる。
霊感があるのか怖い思いを何回かしてきた私は経験から、これはさすがにヤバいと感じた…。
冬にチェーンを巻くための道路が広くなった場所で転回すると、一目散にもときた道を引き返した。
バックミラーで車内を見ると、男性は複数の男性の集合体のようで、山を降りたところにコンビニがあるためそこまで乗せてほしいとメッセージを送ってきた。
送られた(言われた)とおりに山を降り、コンビニの側を通ると男性のような黒い立体的な影は消えていました。
ドライブを続ける気も失せ、その日はそのまま家に帰りました。
後日わかったことですが、ダムを作るような大掛かりな工事では亡くなってしまうこともあるそうです。
そのダムを作る工事を請け負っていた会社で働いていた人が近所のアパートにいたようで、私の父が聞いたところによると、何人か亡くなっているとのことでした。
コンビニからどう移動したかは定かではない。
日中同じようにドライブしながら確認に行くと、ダムを過ぎてもトンネルが見当たらなかった。
転回するところに車を止め、車内で静かに手を合わせる。
帰りたいと思う気持ちは亡くなっても変わらない、死んでも人だった人なんだと感じる体験でした。
悲しいドライブ…