このレビューはネタバレを含みます▼
最初はADHDな子供「輝一」を育てる両親のアットホームな話かと思ったら、まるで違う。両親が通り魔に眼の前で殺され、放浪の果てにホームレスに育てられ、殺人事件を目撃し、逃亡生活の果てに知り合ってつれ戻そうとした女性は事故で昏睡状態になり…といった具合で、まさに数奇な運命だ。しかしその出会いと出来事の全てが彼の人格を形成する材料となっており、その人格が物語の中心になっていく。ちょっと甲斐が小学生とは思えないほど大人顔負けだったり現実離れしてる描写も見られるが、腐敗した政治家や警察といった巨大な権力と使えるだけの武器で対峙する姿は、この同調圧力全盛と言われる令和時代に無くなった人間として大事なメッセージを伝えてくれるかのようだ。これを読んで周りに流されるのではなく自分を持って生きよう。