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安倍政権の安全保障ブレーンが説き明かす中国外交の本質。なぜ中国は膨張と分裂を繰り返してきたのか。日本を含めた新たな国際秩序を目指す中国外交と覇権の論理を、文明史的・地政学的視点から読み解く。 かつて、「市場経済化で豊かになった中国は、いずれ民主化が進み独裁的な政治体制は徐々にではあれ清算されてゆくのではないか」、あるいは「経済大国として世界の有力なプレーヤーとなった中国は、国際社会の責任ある一員として、既存の国際秩序に自ら順応する国になってゆくだろう」といった中国の未来像が、日本のあちこちで語られていた。 しかし、今、こうした中国の未来像に対し、「どうも、そうならないのではないか」、少なくとも「事はそう単純ではないようだ」「これは日本もうかうかしていられないのではないか」「では、一体どうすればいいのか」等々といった当惑や懐疑のムードに変わっている。こういう場合、よく欧米のジャーナリズムでは「チャイナ・オプティミズム」から「チャイナ・ペシミズム」への移行が始まったなどと評することがある。しかし、事はそう単純ではない。それは、単に、尖閣諸島をめぐる最近の日中衝突や習近平政権の誕生で中国の体制が逆に強権化し始めたこと、あるいは中国における環境問題や腐敗問題の実態がときが経つにつれ、いっそう悪化の兆しを見せていることなど、現象面に発する状況反応的な日本人の中国観の変遷と片づけられない、もっと深い次元の問題がかかわってくるように思われるのである。そこには、欧米諸国がまだ経験しておらず、韓国や東南アジア諸国ならついぞ経験することのない、日中間の深刻な「文明の衝突」といってもよい構造的な背景が横たわっているように思われるからである。(本書「新版へのまえがき」より抜粋)
9784492212103
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