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摂政として推古天皇を補佐し、十七条憲法を制定し、遣隋使を派遣するなど、国家としての態勢を整え、大陸文化の移入に努めた聖徳太子……。われわれが描く聖徳太子のイメージは、仏教を重んじた清廉な政治家というのが一般的だ。それは、『日本書紀』のなかで、聖徳太子が「聖者」として扱われていることと無関係ではないだろう。しかし、「聖者」として礼賛される一方で、日本の各所に「鬼」として祀られる聖徳太子が存在する。著者の聖徳太子に対する関心は、「聖者伝説」と「鬼伝説」という、一人の人物に真っ向から異なった二つの評価が存在しているところから出発している。はたして聖徳太子は「聖者」なのか「鬼」なのか! これまでも、大化改新、壬申の乱、神武天皇、継体天皇、物部氏など古代史を彩る事件や人物の謎に、定説にとらわれることなく、大胆な発想で鋭く迫った著者の筆の切れ味は、本書でも多いに発揮されている。古代史ファン垂涎の一冊。
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