エッセイは興味が湧かない分野だったのですが、遠藤周作先生の狐狸庵シリーズでエッセイのおもしろさを知りました。
この本は好奇心豊かな先生が、その好奇心の赴くままに催眠術師や霊媒師に会いに行ったり、心霊スポットを訪れたりして、友人や編集者、先
生ご自身が体験した事の顛末を、おもしろくも愛情深く皮肉るように(ご自身を含めて)書かれています。
見栄をはったり呆れられたり、作家仲間にいたずらしてだましたりだまされたり(子供みたいです)、およそお年を召した作家先生からイメージするような、威厳ある風情とかけ離れた日常もしっかり描かれていておもしろい。上から目線も押し付けがましさもきれい事な正論も一切出てこない、読み応えのあるおもしろいエッセイだと思います。
もっとみる▼