最初にお断り。本作品は後年、「美しくもミダらに」(→カタカナ部、本来漢字だがコードに抵触しカナ書き)なる表題で、双葉文庫より再版されている。重複買いに注意されたし。
さて作品は、カイロプラクティック医院に再就職した元銀行員が、雇用主である
院長とともに、施術の延長で女性のカラダにイタズラし、行きつくところまで発展、というパターンを状況を変えて繰り返すオムニバス的性格の長編。プレイ内容はあけっぴろげで、ターゲットとなる女性は男二人を前にあっけらかんとハダカになり痴態をさらす。藍川京作品愛読者のやなぎやこから見れば、氏「らしくない」いかにも虚構ですといっているようで、如何せん気持ちが入っていかない。文章のパーツパーツはそそるものの、作品全体を見渡すと「これはフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません」と行間行間で連呼されているかの如くで、リアリティから遠い世界の物語に思え、気分にブレーキがかかる。カバーイラストの女性像は美しいんだけどね。
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