このレビューはネタバレを含みます▼
ミステリー好きのファンには是非ともおすすめしたい作品が、多数収録されています。うち「すべてがFになる」のインパクトはやはり強烈であり、発表からおよそ4半世紀経過した現代でもなお古典的有名作品として読み継がれていますが、犀川と西之園をはじめとするキャラたちの個性と、数学的な思考を生かしたテクニックが、現代でも初見の読者の目からすれば斬新なものに映ると思います。もし読む側に高度な数学の予備知識があれば、特に記号の解読シーンなどでは、なお楽しめます。種明かしを読む前に、読者自身で少し推理をしてみるという楽しみ方も良いのではないかと感じました。