このレビューはネタバレを含みます▼
家畜を屠殺する前に家畜自身から"死亡承諾書"も得なければならないという決まりが発令された国の物語です。主人公は農学校で飼育されている豚で人語を解し、人間と意思疎通が出来ます。全てわかっているのに承諾書に判を押さなくてはならなかった豚が余りに哀れで、残酷な結末に胸が詰まります。豚の立場からすると農学校の人達はまるで悪魔のようですが、しかしこうして請け負ってくれている人達がいるからこそ、自分も含めた多くの人がこういった光景を見ずにいられる訳で…。二重の意味で目を逸らしてはいけない話であると感じます。