近鉄バファローズ、ヤクルトスワローズ、そしてニューヨークメッツへと日米の球団を渡り歩いた著者。メジャーでは通算32勝し、日本人初のポストシーズン開幕投手も務めた。日本ハムファイターズの投手コーチ就任後には、二度のリーグ優勝に貢献した。なぜ著者は、150キロの剛球を投げなくともメジャーで先発投手として勝ち星を積み上げられたのか、また、ダルビッシュ、吉川投手などを球界を代表するエースに導くことができたのか。そこには、既知の投手観とはまったく異なる「投手魂」が存在していた――「打たれてKOされた時こそ、偉そうにベンチに帰って来い。打たれて下を向いたら罰金」と著者は教えていた。また著者は、投球術についても既知の投球論に異を唱える――「打者は、ゴロを打とうとするのに、なぜ投手は、低目に投げなければならないのか」と。従来の野球の見方を覆す、新しい野球論。野球ファンはもちろん自分らしく生きたい人は必読の一冊。