●『洋上の月』(マリーン・ラブレース著)家族の借金清算とひきかえに、サラは英国海軍キャプテンと気の進まぬ婚約をした。目下、未来の夫の帆船軍艦に同乗し、大西洋を航行している。サラが夜空の月を眺めつつ、逃れられない結婚に思いを馳せていたとき、不意に轟音が響いて砲弾が飛んできた。やがて船に乗り込んできた男は、傲慢な態度でサラの顎の下に拳を当て……。
●『月とかがり火』(スーザン・キング著)翌朝には絞首刑に処せられる父親の望みを叶えようと、全速力で荷馬車を疾走させていたジェニーの前に男が立ちはだかった。サイモン?四年前愛を誓ったあとで姿を消し、ジェニーの希望という希望を奪い去った男。月光が、彼のハンサムな顔を隈なく照らし出す。なぜ、今ごろになって戻ってきたのか――。会いたくなどないのに。
●『いたずら好きの月』(ミランダ・ジャレット著)アサウォール伯爵ハリー・バートンは賭け事に明け暮れ、しかも、やりきれないほどの退屈を覚えていた。彼を自堕落な生活に駆り立てたのは弟の死と愛する人の裏切り。ソフィは彼にすべてを捧げながら、身分が違うと言って去っていった。十年後の四月、まるで満月が仲立ちしてくれたかのように、別れ別れになった二人は再会を果たすが。