「神様、どうしてぼくは生まれてきたんですか?」。霊山・御嶽の麓の町で、悲惨極まりない人生を送ってきた少年、潤。山に棲まう神に会い、生きることの意味を問いたい……。積年の切ない望みを胸に、潤は誰もいない山へひとり姿をくらませてしまう。そんな潤を、強力(ごうりき)の孝が思わぬ理由で捜索することになる。神を求め、信じる潤。長く山で暮らしながら、神を信じぬ孝。恐るべき大自然の猛威に翻弄されながら、二人が熱く命の炎を燃やす―――。生とは? 神とは? 人間の絆とは? 極限の人間心理を描破する、哀哭の山岳ノワール!