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日本は自然災害列島です。天候異変の大飢饉に襲われた天明・天保時代はとても悲惨でした。信濃のあづみ野は荒れ果てた山野でした。資金も土木技術もない農民たちが手を取り、巨大な農水路「拾ヶ堰」などを開削し、日本随一の緑豊かな田園地帯に変えました。そのうえ、米不足で苦しむ飛騨国へ、あづみ野から常念山脈、上高地を経由し、飛騨山脈の2座を越えた「米の道」をつくりました。幕藩体制の枠組みが敵になり味方になり、数十年の歳月を要しました。若い男女、夫婦愛、郷土愛、山岳信仰など人間愛に満ちた、こころに響く作品です。 上高地はウエストンの時代に拓かれたものと思われている方が多いなか、天保時代に「米の道」の飛州新道の中継地、槍ヶ岳登拝基地として開かれたことも知っていただきつつ、播隆上人による槍ヶ岳開山にかかわるエピソードなども絡め、天明大飢饉から続く歴史的事実を、ぜひ小説で味わっていただきたい。時代の流れに翻弄される安曇野の農民たち、徳川幕府の思惑、そして上高地の開拓の歴史を描いた長編歴史小説。 <あらすじ>天明3(1783)年、浅間山の噴火が引き金となって天明大飢饉が起きた。 常念山脈の山麓・安曇平の農民たちは水不足で飢餓状態に陥るが、大庄屋、等々力孫一郎は奈良井川から15キロに及ぶ巨大な「拾ケ堰」の開削を計画、多々の悪条件を乗り越えて農水路を完成させる。新田開発が進み豊かな安曇平になったが、一方では過剰生産による米価の暴落が起きる。そこで米の販路を飛騨国へもとめるために、常念山脈(大滝山・蝶ヶ岳)、上高地、飛騨山脈(焼岳)を越える「米の道」の開削が進められる。安曇平の庄屋・岩岡伴次郎は私財を投げ打ち、上高地までの「伴次郎新道」を開削。上高地の湯屋(宿屋)の経営に乗り出し、娘の志由(13歳)に宿をまかせる。このころ播隆上人による槍ヶ岳の開山が行なわれ、上高地は飛州新道の中継地、槍ヶ岳登拝基地として期待されるようになるが、天保の大飢饉が発生。松本平から飛騨国へ米を運びたくても幕府直轄領の飛騨国は街道の開通を認めようとせず、湯屋は経営の危機に陥る。 飛州新道が開通し、上高地が栄える日は果たして来るのか…。※長野県中信地方(松本市、塩尻市、大町市など)の地方紙「市民タイムス」に連載中の人気小説「燃える山脈」を単行本化。
9784635320139
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