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沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第6弾。著者は近現代沖縄文学とそれに係わる幅広い問題について研究を行い、ぼう大な成果を発表してきた元琉球大学教授の仲程昌徳氏。つらねの代表作に「泊阿嘉(とぅまいあかー)」という歌劇がある。これは沖縄の三代悲歌劇のひとつであり、初演以来多くの芝居ファンを熱狂させてきた。沖縄版「ロミオとジュリエット」である。物語の中でヒロイン(ジュリエット)が残した長歌、これがいわゆる「つらね」と呼ばれるものである。沖縄における「つらね」は八八八の句を重ね、最後を六音の句でしめくくる長歌体で書かれている。「つらね」は恋を歌った作品が多い。本書は明治末年に流行した「つらね」の幾篇かを紹介しつつ、その変遷をたどり、何故明治も末になって、琉球方言になる表現が、輩出されたのか、その問題を探る。「「泊阿嘉」や「薬師堂」、「奥山の牡丹」や「伊江島ハンドー小」という歌劇が、相次いで現れた時代。それは、沖縄の言葉が、美しく輝いた最後の時代だったのでなかろうか。ひょっとすると、それらの過激派、沖縄の言葉がやがて消えてしまうという予感によって、いよいよ磨きに磨かれたのではなかろうか。最後の輝きを思わせるほどに、歌劇の言葉はたっぷりと味わいあるものとなっているが、その歌劇のクライマックスに用いられた「つらね」となると、いよいよその感を深くせざるをえない。 二〇世紀初頭の沖縄は、新知識を持ちかえった人たちが、琉球文芸の復興を叫んだ時代であった。つらねは、その落とし子であったようにも見えるが、新旧思想の衝突するなかで、たとえわずかな時期であったとはいえ、「つらねの時代」と名付けることのできる時期があったということは、大きな驚きである(1990年当時の作品紹介文より)。」
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