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沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第6弾。日本西南端にある西表島は,西表国立公園,マングロ-ブ林,珊瑚礁,イリオモテヤマネコといった豊かな自然のイメージがある。そんな西表島の西部には明治から昭和にかけていくつかの炭鉱があった。その西表炭坑が姿を消してから、半世紀が過ぎた。名を知っている人でも実態をしる人は少ない。炭坑の歴史はどんなものだったのか、それは忘却の彼方に押しやってもよいのだろうか。本書の著者は琉球新報入社後、東京支社報道部の記者として沖縄返還交渉などの取材に携わり、同社締役編集局長、取締役副社長、ラジオ沖縄取締役会長を歴任し、現在はジャーナリストとして活躍している三木健氏。西表島には良質の石炭を産し、明治18年には鹿児島の商人、林太助が炭脈を調査し、三井物産会社と西表島の元成屋などで試掘が行なわれ、明治中期から戦前期まで採掘がさかんに行なわれていた。はじめは囚人が労働者としてあてられたが、やがては広く全国から募集した。暖かくて暮らしやすい南の島へという誘いの言葉に乗ってやってきた人々を待っていたのは、タコ部屋労働であった。地獄さながらの強制労働のほか、焦熱のマラリアの発生などで、採炭事業は困難を極めた。西表島には今でも炭鉱の跡(丸三炭鉱宇多良鉱業所)が残っている。豊かな自然というイメージとはかけ離れるが,足を運んでみると確かに豊かな自然の中にその跡を見つけることができる。そこには行かなければわからない深い味わいがある。30年の時を経て今回は我部政男氏(山梨学院大学名誉教授)の解説を加え新たにあとがきを改定した電子復刻本。
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