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2016年末、米国新大統領に当選したトランプ氏と安倍総理がニューヨークのトランプ・タワーで電撃会見し、大きなニュースとなった。この会見で安倍総理をアテンドしたのが、安倍家と親しい米国弁護士の村瀬悟氏。悟氏は、米国の有名弁護士事務所のパートナーを務める日系人3世だ。村瀬家は、米国の日系人サークルの中でも特別な地位を占める。そのルーツは、悟氏の祖父に遡る。悟氏の祖父は、軍医として日露戦争で活躍するも、日本の医学のレベルの低さを知り、米ニューヨークのメディカル・スクールに留学。現地で開業する。ここから、日系人・村瀬家が始まる。そしてニューヨークで誕生したのが、本書の主人公、村瀬二郎氏だ。二郎氏は、日系2世として米国で育つが、「大和魂を忘れるな」という父の方針で中学のとき日本に帰国。しかし、旧制芦屋中学在学中に太平洋戦争が始まる。立派な軍国少年へと成長した二郎氏だが、国籍の問題は常に二郎氏を悩ませる。そして戦争が終わり、米国に戻ると、今度は米国陸軍への徴兵が待っていた……。青春時代に戦争にぶつかり、「二つの祖国」の狭間で悩み、苦しんだ二郎氏は、その後、アメリカで弁護士になるが、こんどは日米貿易摩擦の矢面に立たされる。「戦争前夜」とまでいわれた日米関係の悪化。そのとき、二郎氏は日本のために、摩擦解消に陰に日向に尽力する。激動の20世紀に「二つの祖国」を生き抜いた男は、「大和魂」と「アメリカンスピリッツ」の狭間で何を考え、どう行動したのか。「堤清二『最後の肉声』」(「文藝春秋」掲載)で2016年(第47回)大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞した筆者の受賞第一作の大型評伝!
9784166611317
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