二人は幸せだった。なにも不安なんてなかった。
ただ、婚約を決めるまでは。
主人公である高梁優にはひとつだけ心配事があった。
彼女である、宇甘菜々子の酒の弱さである。
弱いくせに飲むのは好き。それだけならまだいいのだが、
酔うと前後の記憶をまるで無くしてしまうのである。
もちろん二人はそのことを知っており、十分気をつけてきたし、
大学時代からの友人も“まちがい”がないように飲み会の席などでは見張ってくれていた。
婚約を決めてからのち……主人公の元に差出人不明の手紙が届く。
『お前の婚約者は浮気している。知らないところで酒を飲まされ、いいようにヤられている。
最近では酔ったフリをしてお前以外の男を楽しんでいるようだ。それでも結婚するのか?』
一笑に付す主人公ではあったが、思い返せばひとつ、ふたつと心当たりが浮かんでくる。
まさか……いや、そんなハズは……でも……
この作品は、人を愛するが故に間違ってしまった男女の織り成す官能のNTR物語。