太平洋戦争末期。日本の敗色が濃くなる中、東京から東北の田舎へ集団疎開した小学生たち。そのひとり、清子は疎開先で、リツという少女と出会う。「海」と「山」という、絶対相容れない宿命的な対立の出会いでもあった――。戦争という巨大で悲劇的な対立の世界で、この二人の少女たちも、長き呪縛の如き、お互いを忌み嫌いあう対立を繰り広げるのだが…….「螺旋」プロジェクト、激動の昭和前期篇、ついに登場!
電子書籍版特典として、朝井リョウ、伊坂幸太郎をはじめとする「螺旋プロジェクト」全8作家が早稲田大学にて行った座談会がついています!出典:「『螺旋』の先にある新しい小説の景色」(2016年7月発行「小説BOC2」に収録)