ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、
ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。
「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。
そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。
大抜擢で番組を任されることになる。
しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、
ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。
だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、
それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。
そして、Twitterでもなく、メールでもなく、
ファクスでもなく、ラインでもなく、
リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。
特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる
「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、
人気番組となるのだが……。
ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。
1981(昭和56)年から12年半、文化放送「さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!!