勇者セラフィルナは、己の命と引き換えに狂神を討ち倒し、世界を救った。
一方、かつて勇者と共に旅をしていた隻腕の青年ジャンは、片田舎にて後悔の日々を過ごしていた。剣神と呼ばれながら、彼は逃げ出したのだ。──たかが腕を切り落とされた程度で。
そんなジャンの下へ現れた王都からの使者が告げる。
「勇者はまだ生きている。世界と彼女を救いたければ私たちと共に来てほしい」
「……どうして俺なんだ?」
「キミに伝えたいことがあるようだった。もし会わないというのならば、聞くべきではない。恐らく、その言葉を永遠に背負うことになるだろうから」
亡くした腕の代わりに魔神器『ヴルムの真腕』を与えられ、救われなかった少女のために、ジャンは再び立ち上がる。
今度は逃げたりしない。最後まで彼女のそばにいるのだと。
狂神の呪いを浴び、心を失った少女の傍らに、腕を失った男が寄り添う。
未来は優しく、果てなく、幸せになれるのだと信じて。
──勇者の君ともう一度ここから。
今、最高の感動ファンタジーが幕を開ける!!