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無の問題は,人間存在の背後に立ち現われる根源的な問いである.ニヒリズムは“超克”さるべき何かではなく,ひたすら凝視され,生き抜かれねばならないだろう.ニヒリズムの問題現象を「内面性の現象学」として確立する意欲的な書き下ろし.
目次
一 哲学の根本問題
第一講 問題提起/ 問題の発端/哲学の根本にあるものの問題化
第二講 内面性の現象学/ 哲学の根本にあるものの問題化の再確認/ いくつかの重要な注意
第三講 根本的に問題であるもの/ 内面性の現象学再考/ 根本問題の内実/ 「反省的判断力」との連関
二 ニヒリズムの問題現象
第四講 意味と無意味/ 再確認/ 根源的意味/ 無意味の二種類と四様相/ 意味と無意味の交錯
第五講 無の問題/ ニヒリズムの問題現象の確認/ ニヒリズムの不可避性/ ニヒリズムの意味/ 無の問題に対する否定的見解(ベルクソン)/ 無の問題に対する積極的見解(サルトル、ハイデッガー)/ 無の問題とニヒリズムの問題現象
第六講 ニーチェのニヒリズム/ 要旨再説/ 意味の無化/ ニーチェのニヒリズム
(1)ニヒリズムの意味・心理・到来の必然性・その理由/ (2)遠近法・意味づけの投入・意味づけられたものの虚妄性/ (3)ニヒリズムの二義性・その超克/ (4)意味の無化・超克の問題性・遠近法の真理論
第七講 存在信念と運命意識/ ニヒリズムの問題現象/ 存在信念と運命意識/ キルケゴール・ニーチェ・ハイデッガーの場合/ 存在の先行的事実性/三 自己への生成とその全体
第八講 人間的営為の諸相、および深淵と没落/ 無意味の二種類/ 極限的無意味に対して/ 具体的歴史的無意味に対して/ いくつかの注意/ 哲学的形而上学/ 野生の世界
第九講 他者性の媒介を経た自己性/ 媒介を経てゆく生成/ ヘーゲルの場合/ ディルタイの場合/ ハイデッガーの場合/ 現代哲学の課題との連関
第十講 内的必然性
あとがき