思春期の苦くて甘い心情を、
鮮やかでポップに描き出す佐々木愛のデビュー作!
はじめてのことをするたび、彼を思い出す。
痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。
プルースト効果という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの男子「小川さん」だった。
「はじめてのキスは想像もつかないところでしよう」小川さんはそう言ったはずなのに……
表題作「プルースト効果の実験と結果」の他、オール讀物新人賞受賞作の「ひどい句点」、
「春は未完」「楽譜が読めない」の四篇を収録。
狂おしく瑞々しい10代の心情を鮮やかに描き出す、珠玉の恋愛小説集!
※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。