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大学新卒就職市場で、まことしやかに語られる「体育会系は就活で有利」という神話。それはいつから成立し、どう変容して現在にいたるのか。そもそも、大学新卒就職市場で体育会系が本当に有利なのか。まず、現在の体育会系学生のなかで、神話どおりの恩恵に浴しているのは誰なのかを明らかにする。体育会系学生への就職支援を展開する企業の協力のもとに調査をおこない、所属大学やスポーツによる差異、ジェンダー格差について統計的に検証する。そのうえで、戦前・戦間期に最も売れたビジネス雑誌「実業之日本」の記事をたどりながら、明治末期から昭和初期までの間に大学スポーツへの社会的な評価が高まり、就職に有利にはたらくようになった起源と変容を掘り起こす。さらに、1990年代に情報系躍進企業に就職し、営業として活躍した元企業アスリートの語りをもとに、揺るがない新卒採用の日本の特殊的慣行と凋落する企業スポーツとの関係のなかで現象していた体育会系就活や採用のリアルを克明に描写する。企業の雇用実態、企業スポーツの盛衰、大学数の増加とスポーツ推薦枠、社会的・経済的な動向――。「体育会系神話」の実態とそれを成立させる構造のダイナミズムを明らかにして、大学スポーツのゆくえを提示する。
9784787234919
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