特撮とは、
合成、ミニチュア、大爆発、CGなど、特殊撮影といわれる映像表現のことです。
本書で取り上げる特撮は元祖『ゴジラ』『ウルトラマン』といった定番なものから、
ドリフ映画や不良番長シリーズといったマニアックなものまで、多種多様です。
また、事件の定義も様々で、
『ウルトラセブン』第一二話や『獣人雪男』といったお馴染みの入門系の封印作品もあれば、
「マイティジャック」がわずか一クールで打ち切りになったことよりも、
主演俳優の二谷英明が隊員服の装着を拒否した裏話のほうを事件として扱うなど、
広範囲にわたっております。
このようにセレクトされたトンデモな事件の数々は、
一般のファンはもちろん、大抵の事件は知ってるぜというマニアの方々にも、
楽しく読んでいただけるのではないでしょうか。
特撮業界の裏面を探りつつ、
未解決の事件には読者がそれぞれ推理・探求してもらえると何よりです。
■目次
●一章(一九四〇~五〇年代)
・元祖封印作品『獣人雪男』は本当に差別的なのか?
・ヒーローの元祖『月光仮面』は事件だらけ
・実写版『鉄腕アトム』衝撃のエンディングシーンの謎を探る
・謎多き『豹の眼』ジャガー退場事件
●二章(一九六〇年代)
・実写版『鉄人28号』フォルム突然の変更事件
・ヒーロー、象に踏まれて死ぬ! ――『快傑ハリマオ』
・実写版『忍者ハットリくん』ケムマキ役が杉良太郎の都市伝説
ほか
●三章(一九七〇年代)
・全国各地で死亡事故が多発『仮面ライダー』はハーメルンの笛吹きに変身した
・子供から訴えられた悲しき変身ヒーロー『超人バロム1』
・ドリフ最後の映画に二つのエンディングがあるって本当? ――『正義だ! 味方だ! 全員集合!!』
・『西遊記』猪八戒役・西田敏行多忙事件
ほか
●四章(一九八〇年代)
・ヒロインの失踪事件と「未来派SM作品」と化した神回 ――『超電子バイオマン』
・『宇宙刑事シャイダー』はなぜヒロインのパンチラをウリにしたのか
・幻の特撮ポルノ映画『高野聖』はなぜ「裏ビデオ」として流通するに至ったか
・東映魂の炸裂した月曜ドラマランド版『ゲゲゲの鬼太郎』はほぼ戦隊ものだ
ほか
●五章(一九九〇年~現在)
・日本特撮史に残る悲惨なまでに不入りの上映会 ――『8マン すべての寂しい夜のために』
・「酒鬼薔薇事件」の影響で打ち切られた『エコエコアザラク』
・「戦隊ショーのお姉さん」セクハラ・パワハラ事件 ――『騎士竜戦隊リュウソウジャー』
ほか
●六章 グリーンリボン賞
・暴動から爆発まで、トンデモ作品と事件だらけの「グリーンリボン賞」!
インタビュー・井場宏&伊丹ローズ
・爆弾を作った男/柳原寿之インタビュー
・爆発現場でカメラを回した男/証言・横山健二
・思い出のアルバム・グリーンリボン賞
など多数
■著者 桜井顔
満月照子