このレビューはネタバレを含みます▼
大正という時代のざらりとした空気を背景に、犯罪と美術と人間の欲望が交差する連作短編集
軽やかな筆致で始まりながら、読み進めるほどに仕掛けられた謎の精巧さと、価値観を揺さぶる展開がじわじわ効いてくる
泥棒と画家という一風変わったコンビが織りなすやり取りも魅力で、理知的な推理とどこか危うい人間味のバランスが心地いい?
各話は独立して楽しめつつ、通して読むことで浮かび上がる世界の奥行きも見事です
ときに不穏さを含みながらも、単なる猟奇に寄らない構成力が光る
読み終えたあともう一度細部を確かめたくなるような、知的好奇心をくすぐる一冊