棒針編みの理論書と言って良いと思います。単純な技法書ではなく、編み目の構成を理解して、そこから「なぜきれいにできないのか」の理由を探り、解決策を提示しています。
内容説明文に「70以上の技」という旨の記載がありますが、ナンバリングして一個
一個技法を紹介しているわけではありません。作り目技法何種類、止め技法何種類、というタイプではないのです。
全くの初心者にはおすすめしません。独学でマフラーやセーターを編んだことがあり、なんかきれいにできないんだよな〜って考えたことがある人には、きっと有益だと思います。
また、こちらはアメリカの本の翻訳のため、英語での文章パターンをある程度知っていると理解がスムーズです。
個人的に最も役に立った手法は、本の帯にもなっている「伏せ止めの最後の目のゆるみ解消法」。最も役に立った理論は「糸の掛け方で針にかける糸の長さが違うこと」で、これを理解することで掛け目での穴のサイズやゴム編みの目の揃え方が導き出されます。あと、私は基本的に1色で編むのでわからないのですが、色を変えてボーダー柄を輪に編む場合の段差解消法は、多色編みが好きな人には役立つ技法かもしれません。
それから、編み方だけでなく、サイズ調整の計算についてもある程度書かれています。
じっくり時間の取れる時に、余り糸で実際に編んだりしながら、編み物講座に出席している気分で取り組むといいんじゃないでしょうか。
編み物は、一本の糸の行方を辿っていくもので、論理的思考と本質が同じだと思っています。そういう意味で、「なぜ」を大事にしたこの本はとても価値があると思います。
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じっくり読んで改めて、日本の「編み目記号」「編み図」「編み方説明のイラスト」の良さの再確認もしたりしてました。
ついでに、こちらを読んで私が改めて肝に銘じたのは「ゴタゴタ言わずにスワッチは真面目に大きく編め」です。わかってる、わかってはいるんだよ〜
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