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◆百句シリーズ名句が気軽に読める百句シリーズに田中裕明が登場!◆言葉の生れるところ田中裕明は、一九五九年大阪に生れた。府立北野高校在学中に高校生の短詩型同人誌「獏」に参加、ついで波多野爽波主宰の「青」に入会する。爽波は高浜虚子の最晩年の直弟子で、徹底した客観写生を唱えた人だ。京都大学工学部在学中、墨書コピーによる十部限定の私家版で出したのが第一句集『山信』(一九七九)。同年「青」新人賞も受けているが、この句集は気後れゆえか師に手渡すことができず、宴席で隙を見て爽波の鞄に忍ばせたという。技術者として働き、また俳句をつくるというのは試行錯誤によって世界の本質的な姿に触れるという点で一貫性のある生涯だった。裕明は生活空間にたえず古典世界への通路を垣間見た。それは身の回りの人々を、言葉を介して古典へ昇華するという顕彰の形でもある。言葉の人であったけれども、世界の真理を究めようとする人であったけれども。裕明は、言葉は思考のみからなるのではなくて、実人生や身辺のくさぐさのことによって生れるものなのだということを、人生を進めるにつれて実感した詩人でもあったのではないか。(解説より)
9784781416885
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