「逃げる」を生きる
たとえば高齢化が進むコミュニティで「本当に有効な避難訓練」を実施しようとするとき、「平時」の今と、来るべき「その時」と、「その後」の復興過程と、このすべてをトータルで考える必要がある。「避難学」は、災害から逃れられない地に住まう我々を導く人間科学について、これまでの思想を根本的に転換する必要性を指摘し、かつ現場の実践を具体的に変革するための道すじを示す。
【主要目次】
序論 「逃げる」ための人間科学
第1部 コンセプト(概念)編
第1章 避難学のパラダイムチェンジ-八つの提言
第2章 言語行為論から見た避難情報
第3章 能動的・受動的・中動的に逃げる
第2部 ドリル(訓練)編
第4章 熱心な訓練参加者は本番でも逃げるのか
第5章 ハードルを下げた/上げた避難訓練
第6章 津波避難訓練支援アプリ「逃げトレ」
第3部 マジメント(施策)編
第7章 「自助・共助・公助」をご破算にする
第8章 「地区防災計画」をめぐる誤解とホント
第9章 南海トラフ地震の「臨時情報」
補論1 アフター・コロナ/ビフォー・X
補論2 ボーダーレス時代の防災学-コロナ禍と気候変動災害