学問の中心であった漢学が江戸期から明治期に至っていかに変容したのか。西洋の学問が流入し、新しい教育制度のなかで、東京大学を中心とする近代日本のアカデミアによって学問史、思想史がいかに継承され展開していったのか、井上哲次郎・島田重礼・服部宇之吉といった教授陣を丹念に追って明らかにする。
【主要目次】
序章 東京大学と近代漢学
第1章 漢学から「支那哲学」へ――草創期の東京大学および前身校における漢学の位置と展開
第2章 漢学から「日本哲学」へ――井上哲次郎による世界発信の挑戦とその挫折
第3章 漢学から「実用支那学」へ――井上(楢原)陳政を中心とした明治期の漢学改革論
第4章 「孔子教」の前提――島田重礼と服部宇之吉
第5章 漢学から「孔子教」へ
終章 中心と周縁