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フィロン(前20頃ー後40頃)は、ユダヤ人哲学者で、ギリシア哲学と旧約聖書の解釈を融合し、キリスト教思想の源流を作った。そのフィロンの哲学を読み解く本書は、テクストそのものに基礎をおく根本的研究である。
フィロンの二重ロゴス論についても、独自の成果を上げている。
「『人間のロゴス』の二重性が「ロゴス・ エンディアテトス(理性)」と『ロゴス・ プロフォリコス(言葉)』の象徴的相関関係を意味したように、『宇宙のロゴス』の二重性は神の世界創造の範型としての『神のロゴス(英知的世界)』とその模写として表出された『感覚的世界』の象徴的相関関係として成立するのである」そして「象徴的相関性 』こそれはむしろ『 宇宙のロゴス』に本性的に内属する根本原理である」。
いまなお、フィロン研究の重要著作である。
【目次】
第一部 フィロンのロゴス論
序論 課題と方法 付 資料について
第一章 フィロン哲学の中心問題としてのロゴス論
第二章 フィロンにおける「ロゴス」の用語法
第三章 フィロンにおける「ロゴス」の意義 「ロゴスの二重性(象徴的相関性)」
第四章 神と「ロゴス」 「範型」としての「神のロゴス」
第五章 世界と「ロゴス」 「世界法則」としての「神のロゴス」
第六章 人間と「ロゴス」 「人倫の原理」としての「神のロゴス」
省略記号 I 原典、II 参考文献
第二部 フィロンと初期キリスト教思想
I フィロンとキリスト教 とくにパウロとの対比を中心として
II 宗教と文化に関する一考察 アレクサンドリアのクレメンスの神観を中心として
III アレクサンドリアのクレメンスの倫理思想 とくに「覚知者」(完全なキリスト者)の理想像について
IV トマス・アクィナスの「Synteresis」論
付 「エウダイモニア」 アリストテレス倫理学の性格
あとがき
索引
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