『私、ストロング・ザ・メリーさん……』
深夜二時に東城明子のスマートフォンにかかってきたのは、都市伝説怪談めいた内容だった。
だが、ストロング・ザ・メリーさん……!?
何かがおかしい……。
「その……イタズラですか……?」
『貴様を殺す』
!!
そして再び震えたスマートフォンからは
『私……ビッグ・ザ・メリーさん……』
!?
連続する怪異に慄く明子にしかし、希望の声が聞こえてきたのもその後すぐであった。
『俺は俵さん、今アンタを助けに行くよ』
間一髪、『バケモン共をしばいて回っている男』俵耕太に助けられた明子だったが、俵の口からは再び耳を疑うような言葉が発された。
「非道建築タワーマンションのバケモンがアンタを狙っている」
常軌を逸した最強最悪の事故物件との、壮絶な戦いが始まった──
Web小説サイト『カクヨム』連載時から全編にわたり大幅改稿し、新規書き下ろしを含め加筆した決定版!