日本におけるアーカイブズ史を切りひらいた著者による集大成の第2巻。アジア太平洋地域の旧日本植民地や占領地、日本の植民地支配や軍政支配のもとで、失われた膨大な数のアーカイブズ(官公署や企業の記録,民間の歴史文書など)や文化遺産の詳細分析し、歴史資料を保存する意義と課題を提示する。
【主要目次】
はじめに
第Ⅰ部 日本占領下アジアにおけるアーカイブズ
第1章 日中戦争期における図書・文書の押収――「占領地区図書文件接収委員会」を中心に
第2章 日本軍政の「アーカイブズ政策」とその影響――英領マラヤ・シンガポールを中心に
第3章 南方軍政の調査活動とアーカイブズ
第4章 日本占領下香港における記録とアーカイブズ
第Ⅱ部 日本の敗戦とアーカイブズ
第5章 日本敗戦前後アジアにおける連合国の文化財・アーカイブズ保護活動
第6章 日本敗戦前後における連合国の日本アーカイブズ接収活動
終 章 歴史認識の相互理解はアーカイブズの共有から――アジアにおけるアーカイブズ・ネットワーク形成の課題